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2022年3月23日、「ビジョナリー・カンパニーZERO読書会 第3回 」を開催いたしました。
株式会社RECOMO CEO橋本と株式会社RECOMO 大久保とが参加し、橋本によるサマリーの後、参加者の皆さんとオンラインで本書をもとにディスカッションを行ったり、実際の例を元に話をしたりしました。
この記事では、読書会のレポートとして、ディスカッションの内容をまとめてまいります。
開催概要
イベントの概要
今回のイベントでは、本著の第5章・第6章・第7章を取り上げ、参加者のみなさんと、気になった箇所を深く語りました。
各章で扱われている内容はこちらです。
・第5章「成功は諦めない者に訪れる」
・第6章「偉大な企業をつくるための『地図』」
・第7章「戦略」
ビジョナリー・カンパニーZEROとは
「ビジョナリー・カンパニー ZERO」とは、アメリカのビジネスコンサルタントである、ジム・コリンズらの著書「ビジョナリー・カンパニー」の原点となる書籍です。
永続している企業の特徴を記したアメリカ発のベストセラー「ビジョナリー・カンパニー」シリーズ。その原点とも集大成とも呼ばれるのが「ビジョナリー・カンパニー ZERO」です。
組織のエンゲージメント
まず「組織のエンゲージメント」を中心にディスカッションが行われました。
・エンゲージメントはどのようにしたら維持、発展させられるのか?
・そもそもエンゲージメントはどのように測るのか?
こういった課題をもって、話が始まります。
組織のエンゲージメントの維持・発展をどのように行うのか?
早速、組織においてエンゲージメントを維持し続けるのであれば2年程度が限界だという話が挙がります。会社のビジョンを考えたとき、事業や会社の創始者以外にも維持し続けることがどのようにできるのでしょうか。
「組織の成長過程で求められるものが変わる」という声も。創業期の人数が少ない時期には、高度なものに引き上げ、認識をしていく必要があるということです。一方で、人数が増えてくると限界があり、「最低限、どこまで浸透している必要があるか」という視点へ切り替わることもあるそう。
そのため、ある一定の時期からは「どこまで許すことができるか?」という考え方に変わるのではないかといいます。
エンゲージメントはどのように観測する?
エンゲージメントの程度を観測するために、定点観測がしばしば用いられます。観測しようという動きがあるのは非常に良いことではありますが、必ずしも正しい数値が出るとも限りません。サーベイの運用経験がある参加者は「項目が増えると回答の正確性が下がることもある」といいます。
また、1人のリーダーが管理できる限界値は必ずあることも観測の難しい理由の一つです。たとえば小学校を思い浮かべたとき、1クラスあたり30人程度のところが多いかと思います。その人数を超えたとき、クラスを2つに分け教員が1人増えるということは珍しくありません。
このように、1人が把握できる範疇には限界があると捉えておくことで体制づくりに繋げられることもあります。
パーパスへの共感とエンゲージメント
エンゲージメントを高める上で、組織や会社のパーパスへの共感は重要な要素の一つです。
では、パーパスへの共感はどのように判断するのでしょうか?
どんな組織でも試行錯誤しながら進めていることが伺われました。応募時の資料をもとに評価をしたり、事業の幅が広い場合は初めの共感度をみるというより会社側から提示をしている場合もあるといいます。
最終的に「一緒に事業を行いたいか」を判断する際には、面接官や経営者自身が「その人の人生を背負えるか」を元に判断するのだといいます。面接官の判断を信じ、「この人が背負えると判断した」ことを信じることが大切なのだそうです。同時に、マネジメントをする上で相手の人生を見ることも重要な視点だといいます。
これからの会社や組織のあり方
「採用」から「参画」へ
これからの組織は、1つの会社による「採用」という概念は薄れ 会社に存在する「プロジェクトに対して参画する」という一種のコミュニティとして機能するのではないかという話題が。これに対し、参加者からそれぞれに意見が上がります。
思えば、10年前には「ある1部の人が行っている」ものだった社会課題も、今では常識として多くの人の実感を伴った言葉となってきています。同様に、いまメジャーな考えでなくても少し先の未来では、「参画」という考え方も多くの人にとって当たり前のものになっているかもしれません。反対に、いま「正しいもの」とされていることや常識とされている事柄も、確実にこれからも続くとは言い切れないのです。
ただ、事業に関わる形が変わっても、「自分達は何者で、どうありたいのか」を追い求めることはこれからも変化しないといいます。組織について考えるにあたって王道の大事な考え方と言えるためです。
こういった「王道のやり方」は長期にわたって目指していくからこそ意味をもつのだといいます。
おわりに 今後の変化と「ビジョナリーカンパニー」
これまでの話の中で、「会社やコミュニティの在り方が変わる際に、「ビジョナリーカンパニー」のあり方も変わるのではないか。」という意見が上がります。
いま「ビジョナリーカンパニー」とされているものは、社会の変化に伴って当然変化する可能性はあります。こういった時に核となるのは一体どのようなことなのでしょうか。
社会情勢も刻一刻と変わる中で、「未来を見ようとすることが大事なのではないか」といいます。変化の中で未確定の未来を見ることは当然難しいです。しかし、「見えないから意味がない」としてしまうか、「見えないから作ってみよう」とするかで動き方は大きく変わるのではないでしょうか。
未来を見ようとすることで自身の視点も変わり、描いた未来を築こうとし続けることで結果が返ってくるといいます。
将来世代にどのような世界・会社・場所を残していきたいか、前向きに考えてみることで明るい未来を描くことに繋がっていきます。そして描いた未来を諦めない姿勢をもつことで、パーパスの実現へも繋がっていくのではないでしょうか。
次回のお知らせ
次回は4月13日に「ビジョナリー・カンパニーZERO」読書会が行われます。
これまで3回をかけて読み進めた本読書会も、いよいよ最終回です。これまでの内容を踏まえ、第8章、9章の内容を議論します。最終回からのご参加も大歓迎です。
多様な役割、業務に関わる方々と話すことで、新たな発見や気づきを得ることができます。
テーマを見て気になった方、さまざまな意見を聞いてみたい方など、さまざまな方のご参加を心待ちにしております!
ぜひお申し込みください!