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企業の価値を考える時に、「会社は誰のものか?」の議論が至るところでされてきた。
2000年頃には「会社は株主のもの。株主への価値を最大化する」とされてきた。
働き方改革が言われてきた頃からは「社員の満足度、そこにいる価値を最大化する」に重きが置かれてきた。
労働時間を管理したり、働きやすさを実現する制度が導入されたり。
そして2019年頃から今。潮目が変わってきている。
「社員の満足度」から「人間としての満足度」に変わってきている。エンプロイーエクスペリエンスからヒューマンエクスペリエンスへの変化だ。
①仕事の意義を感じたい
新たに何か仕事を始める時は「まずは覚えよう」という気持ちになりますが、ある程度回せるようになると、「自分の仕事は人生で、会社内で、社会で、どういう意味があるんだろう」と考えるようになります。
その時に「ただ任された仕事をやっていればいい」という対応をしていると、いつまでも指示待ちの人材が育っていくことになります。
より個人の位置まで視点を下ろして、「あなたの人生にとってのこの仕事とは」を一緒に考える機会を持つことが大事になってくる。
その上で、「やっている仕事がどこから来て、あなたを経由して、どこに向かっていくのか」を伝える。
この流れが認識できた時に「自分の仕事の意義」を感じてもらうことができて、じゃあもっとこうしてみよう!というアイデアが生まれてくる。
② 人が一体感や信頼、つながりという感覚を持ちたい
より効率的に、よりシンプルに仕事の仕組みや組織体制を組んでみる。
それで業績も向上するのかもしれない。そこで残ったものは何だろうか。
業績という「収入」は増えたのかもしれない。ただそれは「使ったら終わる」もので、根本から底上げしてくれるものではない。
人がベストパフォーマンスを発揮できる環境を創れたとしたら、それは「資産」になる。資産は未来の「収入」を生み出し続けてくれる存在である。
そういう環境には、いつも「人が一体感や信頼、つながりという感覚」をみんなが持っている。
社員同士でこれまでの人生、今の仕事の価値観、未来でやりたいと思っている夢を語り合う機会を創ることで生まれる。
人と人が繋がった時は、1×1以上の成果を生み出すことにつながる。これは企業の「資産」になる。
③ライフ(人生)デザインに重きが置かれる
企業は「個人の自己実現」を果たすために存在するという考えが割と一般的になってきた。
つまり「お金のために働く」から「自分のやりたいことを実現するために働く」という人が増えてきたことになる。
そうなると、ワークとプライベートのバランスを取るというより、「ライフ(人生)を主体的にデザインする」に重きが置かれるようになってくる。
この会社で、この仕事をすることが、あなたの人生にとってどんな意義があるのか。よりハッピーな形になるのか。
これを語り合ってそれぞれが認識しておくと、人がベストパフォーマンスを発揮できる強い組織が創られていく。
全力疾走できる場所を探している
多少大変だったとして、やりがいや働きがいを感じたい。自分の得意技を活かして価値貢献したい、それによって社会により良い影響を与えたいと思っている人は多くいます。
自分が全力疾走できる場所を探しています。そういう環境にできるかどうかは経営の意思決定次第です。