良い人材が応募してこない会社に共通する、たった一つの「誤解」

目次

「求人を出しても、母集団が集まらない」
「スカウトを打っても、返信が来ない」
「やっと面談できても、求めている人材とは何かが違う」

もし今、あなたが経営者としてこのような悩みを抱えているなら、少し厳しい現実に向き合わなければなりません。

それは、採用媒体が悪いわけでも、人事担当者が弱いわけでもありません。 あなたの会社が、優秀な人材から見て「わざわざ乗る価値のある船」に見えていないのです。

良かれと思って続けている採用活動が、実は優秀な人材を遠ざけている。その構造的な要因と、採用を「経営の推進装置」へと昇華させるための設計思想について紐解いていきます。

なぜ、採用の手法を変えても人は採れないのか

多くの経営者が、採用を「人を集める活動」だと誤解しています。

そのため、応募が来ないと、「求人広報を強くしよう」「媒体を変えよう」「スカウト文面を工夫しよう」と、表面的な手法(How)の改善に走りがちです。もちろん、それらも必要ですが、本質的な解決には至りません。

優秀な人材は、単なる「条件」だけでは動きません。彼らが見ているのは、その手前にある「会社そのものの魅力設計」です。

  • この会社は、何を実現しようとしているのか(理念・ビジョン)。
  • そのために、今どんな難しさ(壁)に挑んでいるのか。
  • そして、その難しさに自分が参画する意味(役割)はあるのか。

この「選ばれる理由」が言語化され、一貫性を持って伝えられていない会社には、優秀な人材は来ません。

採用を止める、3つの構造的誤解

RECOMOでは、採用が詰まる組織には、共通して3つの誤解があると考えています。

1.「採用は人事の問題」という誤解

採用を、求人票の作成やスカウト、面接オペレーションの問題に矮小化していませんか。
候補者は、採用ページだけでなく、社長の思考、会社の方向性、入社した社員の成長、現場の空気感など、“会社全体”を見ています。

採用担当者だけで、真の「採用力」を作ることはできません。採用は、経営の意志を外に向けて表明する行為であり、全社的な経営活動なのです。

2.「条件を良くすれば、人は来る」という誤解

    これは、最も危険な誤解です。
    条件が悪すぎればもちろん人は来ませんが、条件を良くしたからといって、優秀な人材が来るわけではありません。なぜなら、条件で惹きつけた人は、より良い条件の会社が現れれば、容易に去っていくからです。

    また、「働きやすさ」だけを前面に出すと、挑戦したい人よりも、単に快適な環境を求める人が集まりやすくなります。優秀な人材は、楽な会社ではなく、「自分が挑む価値のある壁(意味のある難しさ)」を探しています。

    3.「会社の課題は隠すべき」という誤解

    求人票や面接で、きれいな言葉ばかりを並べていませんか。
    「風通しが良い」「裁量がある」「若手が活躍している」。
    候補者からすれば、どの会社も同じことを言っているようにしか見えません。

    むしろ優秀な人材ほど、「この会社は今どこで苦しんでいて、自分はどこで価値を出せるのか」を知りたがっています。課題は隠すものではなく、整理して伝えるべきなのです。

    採用は、経営者の「覚悟」の具現化である

    手法を論じる前に、経営者としての覚悟が問われます。

    採用活動を設計することは、「この組織において何を称賛し、誰と、どの壁に挑むのか」を定義することに他なりません。
    そこには、あなたの人間観と経営哲学が、最も純粋な形で投影されます。

    肝要なのは、万人受けを捨て、「組織の勝利に資する行動が、自律的に増殖する状態」を創出することです。
    優秀な人材は、整いすぎた美辞麗句よりも、経営者の本気と、まだ未完成な挑戦の方に惹かれます。

    今のフェーズにおいて、組織が最も求めている価値は何か。それを峻別し、定義する勇気が求められています。

    50人の壁を越える、3つの設計思想

    1. 「良い人」ではなく、「この会社で勝てる人」を言語化する

    最初にやるべきは、人材要件の再定義です。 「営業経験3年以上」「マネジメント経験あり」といった条件だけでは不十分です。

      • 自社で活躍している人は、何を大事にし、どんな仕事の進め方をするのか。
      • どんな壁に燃え、逆にどんな人はミスマッチになるのか。

      社長、採用責任者、現場責任者で集まり、「ハイパフォーマーの共通点」「採用ミスの共通点」「今後必要な役割と価値観」を徹底的に言語化してください。

        2. 求人を「条件説明」から「船と壁と役割への招待状」に変える

        次に、採用メッセージを再設計します。 私が強くおすすめしたいのは、「船」「壁」「役割」で語ることです。

        • 船:この会社は、どこへ向かっているのか。
        • 壁:今、何が足りなくて、何を乗り越えようとしているのか。
        • 役割:その中で、あなたに何を託したいのか。

        この3つがあって初めて、候補者は「自分が入る意味」を理解できます。「事業は伸びているが、マネージャー層の育成が追いつかず、現場ごとの判断がバラついている。ここを仕組みと育成で立て直せる人を探している」といったように、自社の「壁」を具体的に語ることで、刺さる人には深く刺さるメッセージとなります。

          3. 採用時の言葉を、入社後90日の体験で実証する

          最後に、最も重要なこと。それは、採用で語った言葉と、入社後の現実を一致させることです。
          どれだけ魅力的な言葉で惹きつけても、入社後に「聞いていた話と違う」「期待が曖昧」となれば、優秀な人材ほど早く見切ります。

          入社後90日の設計(オンボーディング)を見直してください。

          • 最初の30日で何を覚えるか、60日でどこまで任せるか、90日で何ができていれば合格か。
          • 誰が育成責任を持ち、どの頻度でフィードバックするのか。

          採用は内定承諾で終わりません。入社後に「この会社を選んで良かった」と思ってもらって初めて成功なのです。

          終わりに:自律する組織への転換

          50人の壁を突破するために必要なのは、優秀な個人に依存する組織ではありません。 採用という経営活動を通じて、理念を共通言語とするプロフェッショナルな仲間を集め、組織として前進し続ける状態です。

          「何を称賛し、誰と、どの壁に挑むのか」。

          それを経営者が自らの言葉で語り始めた時、組織の新しい歴史が動き始めます。

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