組織開発を学ぶのにおすすめの本は?経営者や人事がおさえておきたい名著5選を紹介!

組織開発おすすめ本

目次

組織開発に関する本は数多く出版されており、どれを読んだら良いか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。できれば効率的に組織開発について学びたいですよね。

本記事では、組織開発の中でも概論から実践までの内容が網羅された名著5選をご紹介します。本の中で示された重要なポイントもご紹介するので、ぜひ気になった本は手にとってみて下さい。

組織開発とは?

組織開発とは、組織に属する個々がベストパフォーマンスを出せるための仕組みづくりです。組織開発に取り組むことによって、従業員が主体的に行動する持続的な組織を育み、会社や事業の成長をドライブさせることが可能です。

事業が成長するにあたり、組織の成長も必要となりますが、組織の成長はすぐに効果が出るものではないため、組織の成長不足によって事業がうまく進まないことは多々あります。

組織開発はバックオフィスの仕事と誤解される経営者が多いですが、組織開発は経営そのものであり、業績への影響度が高い取り組みです。

組織開発の範囲は、サーベイによる課題の可視化や戦略の策定から、リスキルや採用活動などの組織強化のための活動まで多岐に渡るので、長期的な目線で取り組む必要があります。

組織開発の効果

具体的に、組織開発は下記の3つの効果を会社にもたらします。

①組織が一つにまとまる
組織開発は従業員のエンゲージメントを高めます。従業員1人1人が「自分たちは何者か」「どこに向かっているのか」「どうありたいのか」という考えを持って自主的に行動するようになります。

②会社の実行力・機動力が上がる
組織開発によって、経営の想いが浸透した組織に成長します。意思決定にブレがなくなったり、現場での行動スピードが格段に上がったりといった変化が起きます。

③イノベーションが促進される
従業員1人1人が当事者意識を持つことで、会社をより良くするための提案が増えて、イノベーションが促進されます。このような風通しのよい組織には挑戦する人材が集まり、質の高い人材雇用にも寄与します。

このように、組織開発は会社経営において、非常に重要な役割を持っています。

おすすめの本5選

今回ご紹介する本は以下の5冊です。

これらはどれも組織開発の戦略策定に役立つ本です。すでに組織開発に取り組んでいる方もこれらの本を読むことで、自社になかった視点が得られるのではないでしょうか。

実践方法についても記載されているのですぐに行動に移せます。

・ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現
・心理学的経営―個をあるがままに生かす
・学習する組織
・サーベイ・フィードバック入門
・対話型組織開発

ティール組織―マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

■ティール組織とは?
ティール組織の概念は、2014年にマッキンゼー・アンド・カンパニー出身のフレデリック・ラルーによって提唱されました。ラルーの著書である「Reinventing Organizations」では、ラルー自身が世界中の組織を約2年間調査し、組織フェーズについてまとめています。本書は世界12カ国で翻訳されており、日本でも2018年に『ティール組織』というタイトルで出版されています。

■読むのにおすすめな人
・自社の組織状態を客観視したい方
・組織開発で何から始めるべきか悩んでいる方

■本書で示された内容
・組織には、7つの組織フェーズが存在する
・各組織フェーズの特徴や注意点

ティール組織では、組織にはフェーズがあると定義しており、ティール(進化型)の組織が最もレベルの高い組織として位置づけられています。

7つある組織フェーズの中でも日本では、達成型の組織が最も多いとされています。効率的に成果をあげられる一方で、数値に追われて過重労働になってしまったり、社内での出世競争が激化して関係性が悪くなってしまったりと問題が発生しやすい組織フェーズです。

フェーズがあがるにつれて、トップダウンからボトムアップの組織形態に変わり、最上位のティール組織では階層的構造(ヒエラルキー)がなく、組織のメンバー全員が対等(フラット)で目的達成のために共鳴しながら自律して行動します。

自社は現状どのフェーズなのかや、今後どのフェーズを目指すのかなどを明確にすることで組織開発の戦略策定に役立てましょう。

もっとティール組織について知りたい方はこちらの記事もご参照下さい。
ティール組織とは?超自律型の次世代型組織をわかりやすく解説!

心理学的経営―個をあるがままに生かす

■心理学的経営とは?
心理学的経営は、1993年に大沢武志氏の著書『心理学的経営ー個をあるがままに生かす』によって提唱された経営論です。大沢武志氏は組織人事担当の専務取締役として創業からリクルート社を30年間支えました。優秀な人材が多いイメージのリクルート社ですが、リクルート社の組織開発や企業文化を学ぶことができます。

■読むのにおすすめな人
・組織開発について企業事例から学びたい方
・自律した従業員の育成に取り組みたい方

■本書で示された内容
・自律した従業員の育て方や心理学的経営を構成する要素

心理学的経営とは、人間の「感情」や「個性」を深く追求し、経営に生かすマネジメントアプローチです。リクルート社では、「社員皆経営者主義」とも表現されるほど、個人に対して裁量権が与えられ、一人ひとりが自律して行動しています。

本書では、心理学的経営を構成する要素として6つあげています。例えば、あえて秩序を見出し、カオスな状況を演出することで個々の自己革新を促したり、外発的動機づけと内発的動機づけの両方の視点で動機づけを行うなどの具体的な手法も記載されています。

リクルート社の事例を用いて説明されているので、組織開発の実際のイメージをつかみやすく、ティール組織の内容をより具体的に実践したいと考える方にもおすすめです。

もっと心理学的経営について知りたい方はこちらの記事もご参照下さい。
心理学的経営とは?個性を追求し経営に生かす手法をご紹介!

学習する組織

■学習する組織とは?
学習する組織とは、世界で100万部を出版し、90年代のビジネス界に一大ムーブメントを巻き起こしたベストセラーの経営書です。ピーター・M・センゲの『The Fifth Discipline』が元になっており、日本では2011年に完訳版の『学習する組織 システム思考で未来を創造する』が刊行されています。

■読むのにおすすめな人
・組織のあるべき姿を見直したい方
・組織開発の指針をこれから立てる方

■本書で示された内容
・組織のあるべき姿とは
・組織の3つの柱と5つのディシプリン

センゲは組織のあるべき姿を、「管理型組織から脱却し、従業員自らが考えて、行動する組織」と定義しています。これからの変化の激しい時代に対応するためには、従業員自らが考えて、組織の成長や個人の成長のために「自主的に学ぶ」風土を持った組織づくりが必要と説いています。

また、組織には「ビジョンの明確化」「複雑性の理解」「共創的な対話」の3つの柱が不可欠としており、組織を構成する要素は何なのかも再確認できます。

もっと学習する組織について知りたい方はこちらの記事もご参照下さい。
学習する組織とは?本の要約から導入のためのワークショップまで紹介!

サーベイ・フィードバック入門

■サーベイ・フィードバック入門とは?
サーベイフィードバックとは、従業員を対象に調査(サーベイ)を行い、その結果を従業員本人や担当部署に返却(フィードバック)することです。中原淳氏が執筆した『「データと対話」で職場を変える技術 サーベイ・フィードバック入門 これからの組織開発の教科書』ではサーベイフィードバックの手法が体系的にまとめられています。

■読むのにおすすめな人
・これから組織開発に取り組む方
・組織課題が明確化できていない方

■本書で示された内容
・サーベイフィードバックの効果や手順

サーベイフィードバックとは、組織開発の出発点となる取り組みです。組織の課題を可視化することで、組織開発における戦略策定が可能になります。取るべき組織開発の戦略は組織が持つ課題によって異なるため、戦略策定の際にはサーベイによる客観的なデータが重要になります。

本書では、サーベイフィードバックを導入する前に準備すべきことや、注意点も記載されてあるので、すぐに実践に移せます。

もっとサーベイ・フィードバック入門について知りたい方はこちらの記事もご参照下さい。
サーベイフィードバックとは?必要性や組織開発に期待できる効果について解説!

対話型組織開発

■対話型組織開発とは?
対話型組織開発は、ジャルヴァース・R・ブッシュとロバート・J・マーシャクによって提唱された考え方です。2009年に『Dialogic Organization Development: The Theory and Practice of Transformational Change』という原題で出版され、2018年には日本語版の『対話型組織開発―その理論的系譜と実践』が出版されたことで日本でも広まりました。

■読むのにおすすめな人
・組織開発において重要な「対話」の手法を知りたい方

■本書で示された内容
・具体的な組織開発(対話)の手法

本書では、組織課題の可視化や目的の再定義の段階から従業員を巻き込んで組織開発を行う「対話型組織開発」の重要性を示すとともに具体的な対話の手法について示しています。

対話の手法には、AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)、フューチャーサーチ、オープンスペース・テクノロジー、ワールド・カフェなどがあります。いずれの手法も「ホールシステムアプローチ」という参加者全員の話し合いによって創造的な意思決定を行う方法論をとっており、組織開発において重要なポイントです。

組織における対話の重要性を見直したい方や具体的な対話の手法を知りたい方にはおすすめです。

もっと対話型組織開発について知りたい方はこちらの記事もご参照下さい。
対話型組織開発とは?すぐに実践できる対話の手法4選を紹介!

人的資本経営・組織開発ならRECOMO

本記事では、組織開発を学ぶのにおすすめの本について解説しました。組織開発は組織の課題や組織のあるべき姿を明確にすることから始まります。そのためには、組織開発の専門的な知識やサーベイによる客観的なデータの収集などが必要になります。

今回ご紹介した本は、組織開発の戦略策定にも役立つものばかりなので、組織開発にこれから取り組む方はもちろん、すでに取り組んでいる方も本を読んで戦略を振り返ってみるのも良いでしょう。

一方で、組織開発の領域は多岐に渡るため、今回ご紹介した本で組織開発のすべてが網羅できているわけではありません。自社に組織開発の専門家がいない場合は組織開発の伴走者として、株式会社RECOMOが提供するRECOMO Xを検討してみてはいかがでしょうか。

株式会社RECOMOは理念から丁寧に組織開発を伴走することで事業の成長を後押しする会社です。「人の可能性・価値を最大に広げる社会を創る」をミッションとして掲げ、事業を伸ばすために、現状の組織の分析から戦略策定、自走化まで組織開発の取り組みを支援するサービスがRECOMO Xです。

具体的には、以下のようなサービスを提供しています。

・経営者が取り組む本質的な課題の可視化
・ビジョン実現のための人材組織戦略策定と実行支援体制構築の支援
・責任者人材の育成/自走化支援

株式会社RECOMOでは、無料相談も受け付けています。現状の組織課題をヒアリングさせて頂き、最も効果的なご提案をご用意致します。組織開発の領域は多岐に渡るため、外部のパートナーも上手く使いながら、成果に繋がる組織開発に取り組みましょう。

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