【採用基準で失敗しない方法】最初の10人の採用で会社の未来は決まる|組織づくりと30人の壁

目次

その採用、本当に「投資」になっていますか?

組織を立ち上げ、ようやく人を増やせるフェーズ。
経営者の頭にあるのは、きっとこういう感覚だと思います。

「とにかく早く戦力が欲しい」
「今は忙しすぎて、細かい整備なんてできない」
「採用して走りながら整えればいい」

ただ、現実は残酷です。
創業期の採用は、投資ではなく“ギャンブル”になりやすい。

  • 明文化された理念がない
  • 採用基準が社長の「直感」
  • 評価制度も役割分担も曖昧

この状態で進める採用は、
「なんとなく良さそう」「一緒に頑張ってくれそう」――
そんな理由で選んだ最初の10人が、数年後に会社の成長を止める「最大のブレーキ」になることがあります。

本記事では、20名〜300名規模を目指す経営者が絶対に避けるべき「初期採用の落とし穴」と、社長がいなくても回る組織をつくるための採用設計(設計採用)を解説します。

この記事の内容はYouTubeでも解説しています(動画はこちら)

1. なぜ「最初の10人」で会社の未来が9割決まるのか

多くの経営者が勘違いしていることがあります。
それは、最初の10人の採用を「欠員補充」や「人手を増やす作業」だと思ってしまうこと。

でも事実は違います。
最初の10人の採用は、会社という生き物の“遺伝子(OS)”を固定する作業です。

10人以下の組織には、まだ仕組みも文化もありません。
そこにあるのは、ほぼ「社長の判断」だけです。

この段階で入ったメンバーの振る舞いが、そのまま
「この会社の当たり前(標準)」になります。

一度標準が決まると、後から入る30人、50人のメンバーはその空気に染まります。
もし最初の10人の設計を誤れば、後から修正するには、初期メンバーの入れ替えに近い痛みすら発生します。

つまり――
最初の10人の採用は「採用」ではなく「会社づくり」そのものなのです。

2. 経営者が陥る「採用の3大落とし穴」

創業期の採用が難しいのは、能力不足ではありません。
構造上、失敗しやすいんです。

落とし穴①:社長の「好み」が会社の標準になる(=社長の分身組織)

基準がないため、無意識にこういう判断になります。

  • 話しやすい
  • 価値観が近い気がする
  • 自分と似た匂いがする

結果、社長のYesマンではなくても、
「社長の顔色を見て動く組織」が出来上がります。

人数が増えるほどこうなります。

  • 社長がいないと決まらない
  • 意思決定が遅い
  • 会議が増える
  • 結局、社長が全部レビューする

そして経営者が最後に言うのがこれです。
「人は増えたのに、なぜ俺が一番忙しいんだ…」

落とし穴②:「仕事ができる人」を採って組織が崩れる

スキルだけで「即戦力」を採ると、未整備な環境に対して
「なぜルールがないのか」「誰が責任者か」と正論で組織を止める人が出てきます。

初期に必要なのは、完成されたスキル以上に――
未完成を前提に動ける耐性です。

  • 曖昧さに耐えられる
  • 正解がなくても前に進める
  • 仕事を自分で作れる

この前提が合わないと、本人が悪くなくても噛み合いません。
会社側が「整ってない前提」を伝えずに採っているだけです。

落とし穴③:「良い人」という免罪符(=優しい地獄)

「能力は足りないが、人柄が良いから」
この採用が続くと、後にこうなります。

  • みんな優しい
  • みんな頑張ってる
  • でも成果が出ない
  • でも誰も厳しいことを言えない

そして“頑張っている人”が損をする組織になります。
優秀な人ほど静かに去り、採用がさらに難しくなる――
これが負のループです。

3. 【放置厳禁】採用のズレが引き起こす「3つの末路」

この問題を放置して人数だけを増やすと、
取り返しのつかない事態が起きます。

末路①:社長の分身増殖(=拡張不能)

人数は増えたのに、結局すべての意思決定を社長がレビューし続ける。
社長が一番忙しい状態が固定化します。

末路②:優秀層の離脱(=静かな崩壊)

基準が曖昧な組織では「成果の基準」が揺れます。
頑張っている人が報われず、自走できる優秀な人から辞めていきます。

末路③:30人の壁で空中分解(=修復コスト爆増)

10人のときの「なんとなくのズレ」が、30人で派閥や対立に発展します。
創業派vs中途派、気合い派vs合理派、スピード派vs品質派…
この時点で経営者の時間は「未来づくり」ではなく「調整」に溶けます。

「忙しいから今は整えられない」は、火事の現場で「忙しいから火を消せない」と言っているのと同じです。

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4. 採用を「運」から「設計」に変える3つの具体的処方箋

創業期の採用で必要なのは、大企業レベルの制度ではありません。
“最低限の設計”です。

ここからの3つは、今日から実行できます。

解決策1:採用基準を「3行」で言語化する

分厚いマニュアルは不要です。
「うちは、こういう人じゃないと絶対に無理」を3つだけ書く。

例)

  • 曖昧さに耐えられるか
  • 自分で仕事を作れるか
  • うちの勝ち方に共感できるか

そして面接の冒頭で必ず伝えます。
合わない人ほど、途中で自分から降ります。
これだけでミスマッチは激減します。

解決策2:「任せる役割」をA4一枚に定義する

「営業」などの職種名ではなく、役割の設計が必要です。

  • 何を増やす人か(売上/顧客数/品質/採用数など)
  • どこまで決めていいか(意思決定の範囲)
  • 何をやらないか(境界線)

これがないと現場は混乱し、最後は社長が巻き取ります。
つまり、社長依存が強化されます。

解決策3:面接を「雑談」から「見極め」に変える(質問固定)

創業期ほど、面接が雑談になりがちです。
だからこそ、質問は固定でいい。

  • 「何も決まっていない状況をどう突破したか?」(事実の確認)
  • 「指示待ちではなく、自ら仕事を作った経験は?」(自走力の確認)
  • 「うちの状況で最初の30日、何をする?」(現実感の確認)

印象ではなく、過去の行動履歴だけで判断する。
これが“運ゲー採用”から抜ける最短ルートです。

5. 組織が「スケールできる器」に変わる瞬間

採用を設計に変えられると、社長の毎日は劇的に変わります。

  • 社長が現場のプレイヤーを卒業できる(戦略・投資・未来づくりに戻れる)
  • 入社後の揉め事が激減する(期待値のズレがない)
  • 20人、30人の壁を突破できる(最初の10人が“文化を守る側”になる)

組織は、社長の能力以上に大きくはなりません。
ただし――
設計された組織は、社長の想像を超えて成長します。

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