個人の自立性が促進され、組織力が向上 理念に共感してくれる専門的で信頼できる経営パートナー

株式会社ティーアンドエス

従業員数約60名

業種旅行用品の企画・製造・販売

創業年2002年

目次

自社ブランドLEGEND WALKER(レジェンドウォーカー)を中心に、旅行用品・スーツケースの企画・製造・卸・販売をワンストップで行っているメーカー、株式会社ティーアンドエス(埼玉県越谷市)。

2002年の創業以来、多くのファンに愛されるブランドを築き上げてきた同社ですが、コロナ禍の影響で市場環境が悪化。創業以来増収増益を続けていたところから一気に経営状態が悪化し、さらには創業者の前社長が病により不在だったことから社員からも不安が生じ、一時期先行きが見えない状況に陥っていました。この状況を打開すべく、斉 真希さんは当時勤めていた株式会社リクルートを退社し、2021年1月に26歳という若さで2代目社長として会社を継ぎました。

課題が山積みの中でRECOMOのサービスをご導入いただいた背景や、その後の変化について、代表取締役社長 斉 真希さんにお伺いしました。

導入前の課題

経営理念から人事制度を構築する経営パートナー

―導入時に抱えていた課題について教えてください。

コロナ禍で社長就任し、当時会社の課題は色々あったのですが、特に私は人事領域の経験値がないので、どこから手を付けるべきか悩みました。先代の引き継ぎもない中で経営を始め、とりわけ既存の人事制度、特に評価システムや報酬制度に疑問を感じていましたし、評価項目に対する違和感や従業員の納得度の低さも問題でした。

過去の経緯を辿ってみると、先代が外部の社労士のご協力のもとで人事制度を刷新しようとしていた中で病に倒れてしまったため、プロセスに経営者が関与できないまま導入に至っていたことがわかりました。私が経営を引き継いだ時点ではそのまま運用されていましたが、当然、自社の経営理念や人材戦略を反映していないので、全く定着していませんでした。

こういった背景から、人事制度の改善は急務でしたが、私自身が人事の経験に乏しく、またリソースも限られていたため、専門家であり信頼できるパートナーが必要でした。そこで、人事のコンサル会社を探していたんです。

―RECOMOとの出会いやパートナーとして選んだ理由について教えてください。

出会いのきっかけは、スタートアップの支援やビジネスマッチングを行っている知人からの紹介でした。悩んでいる課題について相談したところ、いくつかの会社と話しましたが、その中でRECOMOが一番丁寧でして、ヒアリングから始め、短期的な人事課題の解消以前に理念の落とし込みについて考えさせられたので、私たちに最も合っている人事と経営両方のパートナーだと感じました。

実は、外部の専門家を探している一方で、人事領域は会社にとって大切な部分なので外部に委託することには内心葛藤がありました。ですがRECOMOとの対話を通じて、私たちの経営理念や目指す方向性に共感してくれるパートナーであること、そして、専門的かつ客観的な視座を持ってアドバイスしてくれるイメージが持てたことが決め手となりました。

具体的なご支援内容

パーパス経営から始まる、納得する人事制度構築

―具体的なRECOMO Xの支援内容について教えてください。

まず、私たちが最初に希望していたのは、スタンダードな人事制度の構築でした。具体的には、賃金体系と報酬制度、そして評価制度の3つの要素を含んだ制度を1年間で整えることが当初のスコープでした。しかし、RECOMOとの取り組みを通じて、ただ制度を作るだけではなく、そもそも「私は何を目指しているのか、どういう会社にしたいのか」というビジョンを明確化することの重要性を実感。もしビジョンが明確でなかったら、人事制度の策定も難しかったでしょうし、作った制度の納得感も高くならなかったでしょう。

当時、会社の存続が危機的な状況だったので、目の前の業務に追われ、短期的な視点でしか物事を考えられていなかったのですが、RECOMOと対話する時間は絶対に将来のことを考えるようになりました。私が目指す10年後の会社はどういう姿なのか、私は経営者として何を大事にしているのか。10年後の未来を描くことによって、逆算して見えてきた3年後、5年後の未来があり、そういった理想の姿に向けて必要な人材を定義し、人事制度を構築することができました。

また、他にもRECOMOと一緒にやってよかったと思うポイントとして、会社のメンバーの意見や考えをしっかり人事制度へ反映していくプロセスを辿ってくれた点があります。

RECOMOのファシリテーションの元、私は各部門長を呼び、幹部を巻き込みながら制度構築を進めました。「あなたの部署が求める人材はどういう人ですか」と聞き、その背景や目的なども確認しながら、最終的に評価項目に落とし込むといった具合です。これにより、私たちが大切にしたい価値観が言語化され、みんなで作り上げた人事制度であるため、その制度の運用・浸透に向けて早い段階で共通認識をもち、体制を整えることができました。

もちろん運用の中では、同じ等級でも定める目標は異なるので、評価項目に一定の抽象度を持たせ、半期ごとに自分の目標を具体的に設定できるようにしました。自分で設定した目標を上司とすり合わせ、それに対してコミットしてもらう事によって、更なるステップアップを目指していけるのも、議論の中で誕生したシステムです。

約1年間で人事制度の構築は完了し、現在はその運用や管理職の研修など、制度の定着化を進めています。私たちにとっては、点数で評価がなされたり、中間面談や評価面談を実施するというのは新しい概念でした。なので、マネージャー向けの研修として1on1の実施方法をレクチャーしてもらったり、管理者が育成・評価に必要とするスキルの習得に役立つ研修をいくつか提供いただいています。こうしたRECOMOのサポートのおかげで、新人事制度の導入ハードルを下げ、無事運用することができました。評価される側も評価する側も、お互いに建設的なフィードバックを行い、成長できる環境の土台ができたと思います。

その他にも、採用面やオンボーディングの施策だったり、経営理念の社外に向けたPRなど、伝統的な人事領域に必ずしも留まることなく、幅広い領域のアドバイスを頂けて非常に助かっています。

導入後の効果

方向性を示し、組織と個人の成長を促す人事制度

―RECOMOとプロジェクトに取り組んでから、組織の変化を実感したことはありますか?

基準が明確になったので、みんなが向かう方向が揃ってきたのが1番のメリットですね。今まではみんなで頑張ろうと士気は高くても、ベクトルが揃っていなかったため、会社としても成果を評価するのが難しかったです。

会社の行動指針に基づき、改定された評価制度の中には、創意工夫やチャレンジ精神を評価するよう設定し、一人一人の半期目標を各自設定できるようにしました。その結果、社員は会社の方向性に沿って、個人の努力が可視化されやすくなり、成長意欲も高まっています。

また、評価フィードバックの実施が始まったことで、以前と比べて、社員たちが自ら積極的に変化を起こしていると実感しています。私もいくつかの評価面談に同席しましたが、自己評価と上司からの評価が一致していることが多いんですよね。その中で、「これはうまくできているけど、次はもっと頑張ろうね」といったコミュニケーションをとりながら、相互の共通認識を持つ時間が作られていました。

そして実際にその評価と報酬が結びついており、会社も業績回復によりボーナス原資を用意できるようになったので、自分の努力が形になって報われることを初めて実感してもらえたように思います。これにより、社員のモチベーションと会社へのコミットメントも上がっていますね。

―続いて、斉さんご自身は経営者として何か変化はありましたか?

自分の中でも大きく成長したと思ったのが、未来の会社のありたい姿と向き合い、それを軸にして経営を考えられるようになったことです。

今まで5年後、10年後のことを考える機会がありませんでした。言い訳になりますが、企業の存続を短期目線でしか考えられておらず、あるべき未来のために中長期戦略を立てるべき、というリマインドをしてくれたおかげで今があると思います。

もう一つの変化は、RECOMOの支援により、組織に自走する力がついてきて、私がもっと組織の力に頼れるようになったことです。

最初は会社に多くの課題がある状況だったので、「自分が頑張らなければならない」という意識が非常に強かったんです。ですが、今は社員がより積極的に仕事に取り組むようになっているのを実感しています。最近では、「私がやるよりお任せしたほうがいい」という状況が増えてきて、皆さんの成長と能力に驚くことがあります。組織全体としてはまだまだ発展途中ではありますが、自己解決能力・チームワークが芽生えたことで、私も組織の力に頼れるようになり、本来やるべき経営や新規事業にかける時間を増やせるようになりました。

今後について

生まれ変わったパーパス「旅をもっと身近に」

―最後に、今後の会社の展望について教えてください。

RECOMOとの1年余りの取り組みを通じて、私自身の価値観と会社の方向性を言語化し、会社に新たなパーパスが生まれました。それは、「旅をもっと身近にする」ことです。

旅によって外の世界を体験し、新たな人との出会いや新しい価値観に触れ、世の中の多様性を感じることができます。自分のコンフォートゾーンから一歩踏み出し、人と触れ合い、共感を生み、世界がより良くなると信じています。旅行に限らず、上京や留学、ビジネスや帰省、旅に出るという事は非日常のプチ冒険であり、私たちはその小さな一歩を後押しする存在でありたいと思いました。

弊社旅用品ブランドの「レジェンドウォーカー」は、お客様の大切な旅体験を「レジェンド(伝説)」にします。ただその伝説の主役は商品ではなく、旅に出かける人であり、私たちは主役の旅を豊かにするためのサポートを行います。デザイン、機能、品質、どれも妥協せず、ライフスタイルに合った商品やサービスを提案することで、世の中の旅を身近にしていきたいと考えています。

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